経皮的椎体形成術 (BKP:Balloon Kyphoplasty)
経皮的椎体形成術は、骨粗鬆症や外傷による胸腰椎椎体圧迫骨折の痛みを緩和し、生活の質を向上させるための低侵襲な治療法です。この治療法は、手術手技に関する専門的な研修を終了した医師が行った際に保険診療が適応され、当院は実施可能施設となっております。
対象となる方
- 骨粗鬆症や外傷による胸腰椎椎体圧迫骨折を受傷された方
- 激しい痛みが続き、日常生活障害が強い方
- 保存療法(薬物療法やリハビリ)が効果を示さない方
手術の流れ
- 全身麻酔を施します。
- 約5mm程度の皮膚切開を加え、透視下に骨折した椎体に特殊な針を穿刺しバルーン(風船)のついた器具を挿入します。【下図①】
- バルーンを膨らませ、骨折にてつぶれた椎体をできるだけ骨折前の形に戻します。【下図②】
- バルーンにて拡大させ得られた空間を満たすように骨セメントを注入充填します。
- 骨セメントは手術中に固まり、手術時間は約1時間程度で終了です。
術後のケアについて
手術後は医師の指導のもと、リハビリを行い、筋力を維持します。また、骨粗鬆症の進行を防ぐための薬物療法や栄養指導も行います。
経皮的椎体形成術のメリット
- 早期の痛み軽減:術直後からの疼痛軽減が期待できます。
- 日常生活への早期復帰:短期入院で可能です。
- 姿勢改善:骨折による前かがみ(円背)の改善が期待できます。
経皮的椎体形成術のデメリット
- 全身麻酔のリスク
- 隣接椎体骨折:骨粗鬆症が非常に進んでいる際には、セメントを充填した骨と隣接する椎体骨折が新たに骨折する可能性があります。
当院では、患者様一人ひとりの状況に合わせた最適な治療法を提案しています。安心して治療を受けていただけるよう、事前の説明やアフターケアにも力を入れています。詳しくは診察時、専門医にお尋ねください。