変形性膝関節症に対する新しい治療法の導入
Coolief®によるラジオ波焼灼療法
愛知県で当院のみ(令和6年8月時点)
変形性膝関節症は膝の痛みを有する方は日本で約1000万人、症状のない潜在的な方まで含めると約3000万人の方がいると言われています。従来の治療方法は、まず薬剤(内服・外用)や注射、リハビリといった保存療法を行い、悪化すれば人工関節置換術などの外科的手術療法を行うことが一般的です。
変形性膝関節症に対する新たな治療法は、Coolief®(アバノス・メディカル・ジャパン)という機器を用いてラジオ波で末梢神経を焼灼するというものであり、2023年6月に保険適応となりました。この治療法は、従来の保存療法と手術療法の間に位置づけされるものです。
外部サイト(膝痛い.jp)
Coolief®疼痛管理用システムとは?
Coolief®による膝関節症の治療とは、痛みを感じる神経(感覚神経)に対して、高周波(ラジオ波と呼ばれる電磁波)を流し、感覚神経を部分的に焼灼し、痛みを軽減する治療です。
対象について
- 変形性膝関節症と診断された方であり、既存の保存治療(内服・外用剤、関節内注射、リハビリなど)だけでは疼痛軽減が困難な方
- 人工関節置換術などの手術療法には至らない方
- 手術が受けられない方
適応除外例
- 神経疾患(てんかん、脳疾患、アルツハイマー・レビー小体型認知症、パーキンソン病、脊髄炎、髄膜炎、ALS、ミオパチー、重症筋無力症、多発性硬化症、意識障害など)の既往歴
- 血液感染症
- 精神疾患
- 糖尿病性神経障害
- コミュニケーション障害(意思疎通が取れない、指示が通らない方)
- 血液凝固障害を有したり、抗凝固薬などを使用したりしている方
治療効果
変形性膝関節症による痛みが軽減する
臨床成績
今までの臨床試験では、治療6ヶ月の時点で、治療前よりも痛みを感じる程度が50%以上軽くなった患者さんの割合は74%にも達しております。
また、従来の保存治療の一つであるステロイド関節内注射と比べても、痛みが軽かった結果を示しており、変形性膝関節症による慢性疼痛に対して有効的な最新の治療であります。
※疼痛軽減の程度や期間については個人差があります。
リスク・副作用
火傷、けいれん、疼痛の増悪、筋収縮、感染、神経血管損傷、異常知覚、皮膚のかぶれ、発赤、皮下出血、その他などが生じる可能性があります。
治療までの流れ
1.治療をご希望の方へ
まずお電話にてお問い合わせください。(052-680-8375)
2.術前外来
- 診察にて本治療の適応を判断に致します。
- レントゲン撮影、MRI撮影など行い画像による評価を行います。
- 血液検査(感染症を含む)を行います。
3.治療当日
- 入院していただき、施術まで病室にてお休みください。
- 本治療前に主治医による診察を行います。
- 超音波エコーを用いてターゲットとなる神経を探します。
- Cooliefの針を刺す部分に局所麻酔を行います。
- 局所麻酔の効果を確認後、Cooliefの針を刺します。
- Cooliefの針から高周波を流し、ターゲットとなる神経を焼灼します。
- 1部位あたり、2分30秒高周波を流します。この治療を3部位実施します。
- 治療後の疼痛を管理しながら経過観察を行い、翌日状態が落ち着いていれば退院です。
4.退院後の外来診察
術後2週、1ヶ月、2か月、3か月、6ヶ月、12か月と定期的に診察いたします。
※通院が困難な方は、術前外来時にご相談ください。